
はじめに:寝具のコーディネート販売、まだまだ前例が少ない?
先日、「コーディネート販売によってお客様満足度をさらに高める」ことをテーマに、販売メンバーによるミーティングを行いました。私たちの店舗では、アパレル業界で一般的な“コーディネート提案”を、寝具の世界でも当たり前のように実践したいと考えています。
しかし、実際には他社での事例が少なく、スタッフによって提案レベルに差があるのが現状。そこで、このミーティングでは具体的な接客方法やヒアリングのコツを中心に意見交換しました。
1. コーディネート提案の基本
1-1. カタログ写真を使ってイメージを共有
床材や壁紙、カーテン、ヘッドボード、などの要素を一緒に確認しながら、
「どのような空間を目指していらっしゃいますか?」「普段はどのような雰囲気がお好みでしょうか?」
とやわらかい問いかけを行い、お客様が具体的にイメージをふくらませられるようお手伝いをする。
アパレルのように試着ができないぶん、大判の写真でイメージをしっかりお伝えする。
お客様が理想の部屋を思い浮かべやすいように。

1-2. 事実ベースのヒアリングで、より的確なコーディネートを
お客様との会話のなかで、家族構成・ペットの有無・使用場所(自宅か別宅か)・好きな色柄・現在愛用しているアイテムなどをしっかりヒアリングすることで、より的確なコーディネート提案が可能になります。最近は、お写真をお持ちになる方も多く、イメージ共有がしやすくなっています。
- インテリア
- お部屋の床材やカーテンの色、ヘッドボードの素材などインテリアからお部屋の雰囲気をお聞きするとイメージがつかみやすい。
- 家族構成・ペットの有無
- 赤ちゃんがいる場合は洗濯頻度が上がるため、おねしょやよだれを想定したカバーやシーツがおすすめ
- ペットの爪が気になるなら、しっかりした生地(例:500TC)のものを選びやすい
- ご自宅か別宅か
- 自分たち用かゲストルーム用かによって、好みやベッドカバーの必要性が大きく変わってくる
- お好きな色・柄
- 例えば「強めの柄が大好き」という方には、その柄を中心にコーディネートしたいという明確な要望があることも
- ご愛用しているものの確認
- すでにお持ちで気に入っているアイテムを把握しておくと、相性の良い商品を提案しやすくなる
こうした事実ベースのヒアリングを踏まえることで、「おすすめできないものをそぎ落としていく」作業が明確になり、お客様に合った商品をスムーズに提示できるようになります。
1-3. 「この先も楽しみがある」という提案
一度コーディネートを完成させても、季節や気分でアップデートが可能であることを伝える。
「今後はこんなアレンジも素敵ですよ」といった未来へのご提案が、お客様にさらなるワクワク感をもたらす。
1-4. メインベッドの組み合わせ例
シンプルなベッドをベースに、カラーや刺繍、ラインを加えるだけで大きく印象が変わることを実例で示す。
「思ったより手軽に雰囲気を変えられるんですね」と、お客様に安心していただける。
2. 多様なお客さま層へのアプローチ
3-1. 幅広いニーズにどう応えるか
「お手持ちのカバーリングは何ですか?」と尋ねるだけでも、コーディネートの幅が広がる。
ピローケースを替えるだけでガラリと印象が変わることを伝え、お客様の期待を高める。
3-2. シングルベッドのお客様へは
色や素材のつながりを意識するだけでも統一感が出る。
「サンド(ベージュ系)」などの定番色を活かし、単品からでも提案を発展をする。
販売員それぞれの“愛ある”ご案内
販売のメンバーの様子を見ると、販売員によって得意なシリーズが異なる印象があります。たとえば、装飾のある掛け布団カバーを中心に販売する人、おまとめ買いを提案する人、シルク商品を得意とする人など、それぞれに“ご提案のしやすい商品”があるようです。
その結果、提案の幅が広がっていると感じますし、好きな商品だからこそストーリーを豊かに語れたり、“愛”をもってご案内できたりしているのではないでしょうか。