なぜブログを始めようと思ったのか

私は、自分の体験をもとに経営判断をしています。特に、ホテルライクインテリア のお客様に近い立場でもあるため、「自分が本当に欲しいもの」をつくる感覚でブランドを運営してきました。店舗の出店場所やマーケティング、商品構成も、この考えを軸に決めています。

もちろん、データも共有していますが、それだけでは伝えきれないブランドの背景や価値観があります。だからこそ、意思決定の背景をチームに共有する場が必要だと感じました。

本当はもっと多くのメンバーと直接話したい。けれど、一日に話せる人数には限りがあり、「今週、同じことを3回も話してるな、非効率だな」と思うこともしばしば。

だったら、ブログに書くことで考えを共有し、そこからさらにメンバーの意見や考えを聞く場にできるのではないか。そう思ったことが、ブログを始めた理由です。

理由を知らずにやるのは、つまらない

10代の頃、あるワークショップに参加しました。

折り紙を渡され、「輪っかを作ってください」とだけ指示されたことがあります。

理由もわからないまま、ひたすら輪っかを作り続けました。途中で「なんでこれをやってるんですか?」と聞いたのですが、返ってきたのは「それは秘密」とだけ。結局、目的を知らされないまま作業を続けることになりました。

そして夕方、全員が集められるとサプライズの誕生日パーティーが始まりました。

そこで初めて「輪っか=飾りつけの準備だった」と気づいたのですが、正直、なんとも言えない “つまらなさ” を感じました。

(なぜ準備する側にもサプライズしようとしたのだろう)

「理由も知らず、ただ言われた通りに動くのはつまらない」

言われたことをこなすだけではなく、目的を知っていればもっと前向きに関われたはず。プロジェクトについて話すとき、この体験を思い出し、しっかりと伝えることを意識しています。

シーンのミルフィーユによる決定。

人にはそれぞれ決定の仕方がありますが、私の場合、9割はこれです。

「シーンのミルフィーユ」のように、個人的なストーリーが積み重なって意思決定につながります。

過去の体験が重なり合い、大きな方向性が見えてくる。例えば、海外での経験、チームメンバーの一言、先輩社長の言葉、お客様の表情、読んだ本――。

こうした要素が積み重なり、「もしかしてこうかも」と思ったことを、プロジェクトの指針にしています。

ただ、それらは起承転結のあるストーリーではなく、点在するシーンの積み重ね。だからこそ、伝えるのが難しい。

そこで私は、毎朝会社に行くと、マネジメント層のみんなに「先生、あのね」「お母さん、あのね」という感覚で、その時感じたことや個人的なストーリーを話しています。

何時間も話し、思考を共有し続けることで、彼らは私がなぜそれをやろうとしているのかを、深く理解してくれています。

伝わらない理由を考える

小さい頃から「ふしぎちゃん」と言われることが多く、今でも「清水さんの話、6割くらいしか理解できない」と言われたり、「葉子さんの暴走を止めなきゃ」と冗談交じりに言われることがあります。

なぜ伝わりにくいのか、自分なりに考えてみました。

1. 話の流れと関係ないことが突然飛び出す

 →「何の話ですか?」

2. 言っていることはなんとなく伝わるけれど、聞き手の体験にないため立体的に感じられない

 →「言っていることは分かるんですが……」

3. 課題感が違う

 →「それがどういう影響を与えるんだろう。」

説明が苦手な人には、私のようなタイプの人もいるかもしれません。

このブログでは、そんな課題を少しずつ解消して、より伝わるように工夫していこうと思います。

1について は、ブログは推敲する時間があるので論理的に整理する。

2について は、日頃から情熱的に話すことでカバーする。

3について は、私にとって一番難しい部分ですが、相手の求める情報の粒度を意識することでズレを減らす、でしょうか。よく周囲のメンバーから指摘を受けます。

例えば:

 1. 現場のスタッフが売上向上の施策を求めているときに、ブランドの長期戦略の話をしてもピンとこないことがある。

 2. 実務に追われている人に、大局的な組織論を話しても、今の課題解決には結びつかないことがある。

 3. 具体的な業務改善の話をしてほしいときに、抽象的な理念の話をすると、求めるものとズレが生じることがある。

このように、相手が「今、求めている情報」とのズレをできるだけなくすことで、伝わりやすくなるのではないかと考えています。

皆さんも仕事の現場で思い浮かぶシーンはありますか?

私の場合、具体的な話が苦手で抽象的な話になりがちなので、このブログでは気をつけたいと思います。

うまく伝わることを願いながら、このブログを書いていきます。読んでいただき、何か感じることがあれば嬉しいです。